真夏に冬支度

ご注文を受けて綿入袢天を仕立てました。

大島紬に真綿を入れたちょっと贅沢なものですが、寒い冬を暖かく過ごしてもらえそうです。

 

真綿(まわた)は「綿」という字を使っていますが、植物の綿ではありません。

繭(絹)をほぐして綿状にしたものという意味になります。

株式会社川島織物セルコン

 

川島織物は今年創業175年を迎えられます。

伝統的な帯の製作に留まらず、明治期より日本の室内装飾を牽引されています。

先日、和裁組合の行事で京都市左京区市原にある本社工場を見学しました。

本社は昭和30年代に西陣から移転したそうです。

圧巻なのは、幅25mの緞帳(どんちょう)を織る機(はた)です。

見学した日は、宝塚大劇場へ納める緞帳の仕上げ作業をされていました。

また、夏の高校野球100回記念大会で新調される三代目の大優勝旗も製作されました。

この優勝旗は7月30日まで京都高島屋(7F)に展示されています。

身近で拝見する機会など二度とないですから、是非出掛けようと思っています。

絞り染展

万博記念公園にある大阪日本民芸館で開催されている絞り染展に行って来ました。

藍の絞り染めが中心で、明治から昭和の時代の着物や裂、また現在作家の作品が展示されています。

どうしたら、こんな模様が表われるのでしょう?

絞って染める素朴な技法は古代に世界中で自然発生的に生まれたと言われています。

日本では100種類を超える技法があるそうです。

芝生にたたずむ太陽の塔、周りの木々も大きくなり可愛い感じです。

八掛付着物!!

袷でもなく、単衣でもない八掛だけをつけた仕立て方があります。

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紬などで仕立てると季節の変り目に重宝し、気軽に着用できます。

腰の位置までは袷になるように胴裏地を足して仕立てています。

袖には袖口布をつけますが振り側は三ツ折りぐけにしています。

☆関西では八掛ですが関東では「すそまわし」と言います。

藝術学舎

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藝術学舎は京都造形芸術大学が運営する一般に開かれた講座です。

多彩なジャンルで展開される藝術学舎の講座の一つ「浴衣の仕立て」の講師を担当して3年目になります。

染織コースの方はスクーリングで染めた絞りの浴衣を、他のコースや一般の方は市販の浴衣地で仕立てます。

いくつになっても、磨く、出合う。

集中演習は私も受講生の皆さんにとってもハードスケジュールですが、藝術学舎のキャッチコピーのとおり豊かな時間を過しています。

 

ミニ着物!!2

ミニ着物 (2)

生徒さんの作品です。

先月仕立てたミニ着物に合わせてピンクの長襦袢も仕立てました。

子供たちが遊んだ懐かしいお人形に着せてみました。

ミニ着物!!

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昭和初期のものでしょうか。

アンティークな生地で装飾用のミニ着物を仕立てました。

サイズは約55㎝です。

工作用の細い棒と台を用いて写真のように飾ってもステキです。

和裁教室では各自思い思いの作品を仕立てています。

道中着(着物衿のコート)

道中着は道行衿のコートより気軽に脱ぎ着が出来るので、とても重宝するコートです。

素材によりカジュアルからフォーマルまで着こなせます。

袖の振りをなくして付け詰にすると防寒になります。

道中着は着物や羽織から仕立て直すことが出来ます。

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飾り紐は市販のものや共布で作ります。

第69回正倉院展

正倉院展に行って来ました。

今年は羊木﨟纈屏風(ひつじきろうけちのびょうぶ)が展示されていました。

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これは絹地にろうで防染して模様を染めた後、屏風に仕立てたものの一部です。

ペルシャ風な印象を受けますが日本製だそうです。

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平成十五年(切手趣味週間)と平成二十七年(正倉院の宝物シリーズ第2集)では記念切手の図案にもなりました。

この隣には防染に使ったろう(薬としても使う)と保存用の麻袋も展示されていました。

ろうはミツバチの巣から採ったもので、ベーグル(パン)の形に固めています。

こちらは見た目も地味で人垣もまばらでしたが、私には興味深い品々です。

他にも帯飾りや組ひも、敷物や経帙(きょうちつ・経典を束ねて巻くカバー)などが展示されていました。

正倉院展の染織品は木製品や金属製品よりも、より1300年の時の流れを感じることができます。