阿波しじら!!

お盆も過ぎ、早生の稲穂も実り初めましたが、まだまだ暑い日が続くようです。

このような季節は「阿波しじら」がお薦めです。

徳島県が産地の木綿織物です。

布面のポコポコとした「しぼ」が肌触りの良い着心地です。

ちゃんと長襦袢を着ても、先月紹介したように重ね衿を付けただけの着方でも、気軽な街着として重宝します。

 

たて縞を中心にたくさんの柄があります。

 

 

ゆかたを楽しむ!!

各地の夏祭りやイベントも例年どおり開催されるようになり、是非ゆかたでお出掛けしたいものです。

ゆかたは肌着の上に一枚で着用するものですが、衿付きの半襦袢に手ぬぐいで半衿を掛けて着用すると、襟元が華やぎます。

下半身は足さばきの良いキュロットペチコートの着用をおすすめします。

また手ぬぐいを四ツ折りにして、伊達衿としてゆかたの衿に重ねて付けるのもお薦めです。

 

ギャラリー猫亀屋!!

南海本線みさき公園駅から長松自然海岸の方に出ると、自らも作家活動をされている今泉ご夫妻が運営するギャラリー猫亀屋さんがあります。

毎年この時期は『アートを着よう』夏の元気なTシャツ展が行われています。作家の皆さんの技法を駆使したTシャツを楽しみに時々おじゃましています。

私の住んでいる奈良からは少し遠いのですが、盆地で生まれ育っているので幾つになっても「わッ~海だ!!」と感激してしまう楽しみもあります。

牡丹の花と獅子!!

今月の初旬、久しぶりに長谷寺に参詣しました。

庭の牡丹の花は咲き終わっていましたが、鉢植えの花は美しく咲き誇っていました。

牡丹の花は獅子と一緒に描かれ、古くから調度品などの図案に用いられています。

刺青のイメージもありますね。

百花の王である牡丹と百獣の王である獅子の縁起の良い組み合わせ。

また、「獅子身中の虫」の諺からの由来との説があります。

写真のショールは、大正15年生まれの伯母から頂いたビロードのショールです。

時代背景もあり、女性の着物や帯にも、牡丹と獅子の図案が多くあったと聞いています。

(ショールのフリンジと裏地は新しくしています。)

  

 

風景を纏(まと)う!!

感染症も一段落。行楽に出掛けたい季節になりました。

写真は野辺に遊ぶ童女たちを描いた訪問着です。

このように人物がいて風景を描いた図案は、各時代の絵巻物や屏風に仕立てられた風俗画などを題材にしています。

黒留袖 高貴なお方のお出掛け

 

祈りの刺繍(ししゅう)

3月はお彼岸の墓参り、また寺院に参詣し写経をされた方もおられると思います。

写経は一文字一文字が仏の教えとされ、祈りの実践と言われています。

鎌倉時代から室町時代には、極楽往生を願う人々が刺繍という表現で仏の姿や経典を一針一針繍

(ぬ)って奉納したものが、多く残されています。

刺繍は図柄などを装飾的に施すイメージがありますが、古代より仏教と共に歩んだ歴史があります。

写真は、染織の美(9)日本の刺繍P12 1981年京都書院

七宝文様(しっぽうもんよう)

先日、乗車した新しい車輌の近鉄特急(大阪難波―名古屋間運行)は、中に入ると座席の生地が七宝文様になっていました。

外国からのお客様を意識されてのことでしょうか。

このような和の文様を採用されたのは初めてだと思います。

七宝もこれまで紹介した文様と同じく、吉祥文様になります。

名称の由来はちょっと変ですが、四方が連続する繁栄の意味があり、おめでたい文様の「四方」が「七宝」に訛ったのではないかと考えられています。

本来の七宝(七種の宝物)とは、金、銀、瑠璃(るり)、瑪瑙(めのう)、真珠、白珊瑚、水晶のことです。

 

卒業制作(仮絵羽を仕立てる)

毎年1月には、畿央大学 健康科学部 人間環境デザイン学科 アパレル・造形コースの学生さんが卒業制作の仕上げの作業を学びに来られます。

自ら糸を染め、整経し、織った反物を仮絵羽(展示用)に仕立てて、作品の発表に臨まれます。

ご担当の教授は「このコースの学生は少ないですが、学校法人冬木学園の原点なので大切に守っていきたい」とおっしゃっています。

私も2019年に96歳で亡くなられた創設者の冬木智子先生には敬愛の念を持っていますので、このようなお手伝いが出来てうれしく思っています。

 

 

雪輪(ゆきわ)

全国的なクリスマス寒波で、我が家の庭にも薄っすら雪が積もりました。

さて、雪の結晶の六角形を円形にした文様を雪輪といいます。

既に桃山時代には能装束などによく用いられていたようです。

この文様は冬限定のイメージではなく、図柄の輪郭として活用されています。

本当にお洒落で、可愛いいデザインです。

今年も「和裁あれこれ話」をご覧いただきありがとうございました。

来年もよろしくお願いいたします。

奈良 田原本 流鏑馬(やぶさめ)!!

私の町では中世の史実を基に流鏑馬を「まつり」として復活させました。

約250mの馬場を全力疾走する馬上から弓を放つ勇壮な姿は感動的でした。

射手の装束は鎌倉時代からの武士が狩をする時の姿で、腰には鹿葦の覆い野を着けています。

また、江戸時代には徳川吉宗公の命により考案された(流鏑馬の普及のため)軽装な装束も拝見できました。

行事を執行されたのは弓馬術礼法の伝統を継承している小笠原教場の方々です。